クッキングパパ』(COOKING PAPA)は、うえやまとちによる日本の青年漫画、料理漫画作品、またそれを原作としたテレビアニメおよびテレビドラマ作品。主人公であるサラリーマンの荒岩一味(かずみ)が料理を作って振る舞うストーリー[1]。

『モーニング』(講談社)で1985年11・12号に読み切りとして掲載され、同年14号から連載を開始した[注釈 1]。2015年、その実績に対して、第39回講談社漫画賞・特別賞が贈られた[2]。2014年11月時点で関連書籍の累計発行部数は3600万部を突破している[3]。
福岡市を舞台に、主人公・荒岩一味をはじめ各キャラクターが家庭や職場や学校の人間関係の中で料理の腕を振るう。暖かい絆で結ばれた家族、家庭的な企業における人間の暖かさ、結婚や出産や子供の成長[注釈 2]といったほのぼのとした内容や感動的な人情話が中心となり、そこに家庭人としても企業人としても慕われている料理が華を添えるという展開をとっている。うえやまは「事件なんかなくても、おいしいものを食べて少し幸せになって、おしまい。それでいいじゃない」と語っている[1]。ただし明るい話だけではなく、産後うつや不登校といった暗部を描いたエピソードも時折存在する。連載が十年を過ぎた頃は打ち切りも覚悟し、虹子が育児休業で仕事ができないことや我が子の夜泣きに悩んで、家の外から流れてきたピアノの音に救われる話(第54巻収録)は終了前に描いておきたいと思ったエピソードであるという[1]。

また、料理漫画としては珍しく料理勝負を行うエピソードが原則存在しない[1][注釈 3]。

基本的には一話完結型で、一話毎にその話のキーとなる料理の詳細なレシピが絵入りで紹介されている。漫画に載っているレシピのページをまとめた料理本も多数存在する。作中に登場する料理は全て作者のうえやま自身が実際に作って試食し、味を確かめた上で描いている[4]。うえやまの仕事場では、漫画の製作だけでなく、うえやまが作った料理を試食・批評することもアシスタント達の仕事の一部になっている。連載の巻末には、一般人から寄せられたレシピを紹介する「読者ご自慢レシピ」コーナーもあり、こちらもメニューをまとめた本が存在する